猛威を振るう新型コロナ、インドのスタートアップ 「Nanoclean」がマスク不足解消に挑む

新型コロナウイルスの影響が拡大するにつれ、マスクが品薄状態になる国・地域も増えている。インドでもマスクや消毒用品の品切れが目立つようになっており、すでに悪質な高額転売の動きも確認されている状況だ。そうした中、インドでは毎日大量のマスクを生産しているスタートアップに注目が集まっている。インド工科大学デリー校(IIT Delhi)の卒業生3名によって立ち上げられた「Nanoclean」(デリー)だ。

同社の創業メンバー。左からPrateek Sharma氏、Tushar Vyas氏、Jatin Kewlani氏

2017年創業の「Nanoclean」は汚染空気の予防対策、空気ろ過製品の開発を専門とするスタートアップで、サージカルマスク「Naso mask」のほか、鼻腔フィルター「Nasofilter」、エアコンフィルターに装着する「Nanoclean AC Filter」、網戸代わりに利用できる「Nasofilters Pollution Net」等の製品を手頃な価格で提供。「Naso mask」は伝染性ウイルスからの保護を目的に設計された4層構造のマスクで、米国規格N95、EN規格FFP2に準拠している。

「Nasofilter」(左)と「Naso mask」

共同創業者兼CEOのPrateek Sharma氏が言うには、この約1ヵ月間、「Naso mask」の需要は急速に拡大し、通常期と比べると10倍の売れ行きを記録しているという。同社は日々の生産量を増やし、毎日平均して約10万枚のマスクを販売しているが、それでも供給は追いつかない状況だ。それだけインド、世界のマスク需要が高まっている証拠であろう。

 

マスク生産大国・中国から供給がストップ

インドでは中国製マスクを輸入販売している業者も多いが、中国からのマスク供給は一時的にストップしている。そのため、「Nanoclean」のように国内でマスクを製造している企業は貴重な存在だ(※)。実際に、普段は中国製マスクを取り扱っている業者からの問い合わせも急増しているそうで、今回の特需により、「Nanoclean」は5000万ルピー(約7300万円)以上の収益をあげたという。

※ 世界最大のマスク生産国・輸出国は中国だが、中国から供給が一時的にストップしたこともあり、インド政府は2020年1月下旬に医療用マスクの輸出に制限をかけた。2月にその制限は緩和され、現在は条件付きで輸出が再開されている

「Nanoclean」は全製品を30ヵ国に輸出しており、マスク供給にもそのネットワークを活用している。中国向けにもマスクを輸出しており、同社は中国の政府当局者から少なくとも1日5億枚のマスクが必要であること、中国では1日1億枚しか生産できない旨を聞かされているそうだ。

Prateek氏は「当社を含むマスク企業は、このような需要を予測していたわけではありませんが、弊社は最善を尽くしています」と語り、さらなる増産体制確立へ準備を進めるとともに、世界のマスク不足解消に少しでも貢献していくつもりだ。

written by 飯塚竜二

関連リンク
https://yourstory.com/2020/03/delhi-startup-facemask-coronavirus-outbreak

https://www.entrepreneur.com/article/342768

https://economictimes.indiatimes.com/small-biz/entrepreneurship/breath-of-fresh-air-nanoclean-has-a-novel-way-to-help-city-dwellers-fight-pollution/articleshow/68404010.cms

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