生鮮食品でインド13億人の胃袋を狙う、アグリテック「NinjaCart」が11億円を調達

アグリテック「NinjaCart」がEC大手「Flipkart」とその親会社である米「ウォルマート」からシリーズCで1000万ドル(約11億円)を調達したことが明らかなった。本案件は2019年12月の時点でアナウンスされており、総額5000万ドル(約55億円)に及ぶ大規模ラウンドの最初のトランシェになる。

今回の投資は「Flipkart」、「ウォルマート」の2社がインドのグロサリー市場での攻勢をさらに推し進めるものと言える。

B2Bの生鮮食品サプライチェーンを展開する「NinjaCart」は昨年、9000万ドル(約99億円)を「Tiger Global」から調達。以来、「NinjaCart」は約43兆円規模と推定されるインド食品市場でB2B取引の巨大なチャンスを獲得すべく、「Amazon」等の大企業と投資交渉を進めてきた。

 

生鮮食品でグロサリー市場の巻き返しを図る

「Flipkart」はオンライン・食料雑貨の「Supermart」を、「ウォルマート」はB2Bの食料雑貨・棚卸店「Best Price」をそれぞれ運営しているが、昨年立ち上げられたライバルの「Amazon Fresh」と比べると、生鮮食品のラインナップは見劣りしていた。今回の投資により、「Supermart」「Best Price」の2社は「NinjaCart」から直接、生鮮食品を大量に仕入れることで市場の巻き返しを図るようだ。

一方で「NinjaCart」にとっては、「Flipkart」と「ウォルマート」の持つ幅広い顧客基盤を活用して新都市での事業拡大につながり、生鮮食品の生産エコシテムをより効率化できる。

「NinjaCart」は現在、デリー等の7つの大都市を含むインド全土(20州以上)に展開。1日当たりの農作物の取扱い量は1400トン以上に達し、食品以外の日用消費財(FMCG)も扱っている。

「ウォルマート」によると、2023年までに「Best Price」向けの生鮮食品25%を「NinjaCart」から一括調達することで、農家の市場アクセスを促し(農家の所得増加)、輸送コストの削減を目指す計画だ。

 
AI活用で流通効率化、農産物の廃棄ロスを削減

2015年にバンガロールで創業した「NinjaCart」は、中間業者を通さずに農家から直接新鮮な野菜等を仕入れることで、安定した質の生鮮食品をレストランや零細商店「キラナ」を含む幅広い小売業者に卸売し、急成長を遂げた。同社の強みは、テクノロジーを活用して傷みやすい生鮮食品を効率的に配送するサプライチェーンにある。

農産物の廃棄率が3割に達するインド農業の構造的な課題は、大きく分けて2つあるという。一つは需要と供給のミスマッチ、二つ目は非効率な流通システムだ。こうした課題に対し、「NinjaCart」はAIによるデータ分析技術を駆使して需要や価格変動を適確に予測、収穫から12時間以内に小売業者に配送している。農産物の廃棄ロスを削減し、契約農家には20%以上の所得増加をもたらした。

インドでは国民の半数以上の6割が農業に従事していると言われているが、GDPに占める割合は2割に満たない。他方、インド政府が進める「食料の自給と輸出」「インフラ整備」等の政策の後押しを受け、「NinjaCart」のようなテクノロジーを駆使したアグリテック分野のスタートアップの動きは今後さらに活発化することが予想される。

written by Makoto N

関連リンク
https://ninjacart.in/

https://inc42.com/buzz/agritech-ninjacart-bags-10-mn-funding-from-flipkart-gec3-for-expansion/

https://tech.economictimes.indiatimes.com/news/internet/walmart-and-flipkart-invest-in-ninjacart/72468669

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