中国からインドのスタートアップへの投資が急拡大中、日本と米国を抜く

2019年11月14日・15日にニューデリーで開催された「TiE Global Summit 4」のパネルディスカッションに、中国の代替資産運用会社「CDH Investments」(北京)のDamien Zhang氏、民間投資会社「Integrated Capital」(香港)のJeffrey Yam氏等が登壇。インドのスタートアップ向けに、中国の投資家から資金を調達する際のポイント等を解説した。

Damien Zhang氏は中国とインドのスタートアップ・エコシステムの違いについて、まず投資家と創業者がフランクな交流を持てるかどうかの点が大きく異なる、と主張する。中国の投資家から資金を調達するには、人間関係がより重視される傾向があり、その点を理解していないと難しい、という意見。インドでは、スタートアップの創業者は投資家と彼らのビジネスや戦略について議論を交わすことが一般的だが、中国ではそのような傾向はないという。

また、同氏は「中国のすべての投資家は徹底的なクロスチェックを行っており、競争相手を過小評価したり、数字に嘘があったりすると、投資家からそっぽを向かれてしまいます」と忠告もしている。

「アリババ」傘下の「アント・フィナンシャル(螞蟻金服)」等から出資を受けているVC「BAce Capital」のBenny Chen氏は、「インド市場は非常に細分化されているため、両国でアプローチを大きく変える必要があります」とし、フィンテック分野のスタートアップを取り巻く環境を例に挙げ、中国はインフラが整っており、運営者が事業を拡大しやすい環境にある一方、インドの地方都市はまだスマートフォンの普及率が低いこと、通信インフラも脆弱であることから、市場開拓にはより大きな困難が伴うだろう、と比較した。

BAceの投資先例

総合家電メーカー「シャオミ(小米科技)」(北京)のShirley Mao氏は「市場の成熟レベルの違いにより、インドでは機能しても中国では機能しないビジネスモデルが存在しています」と述べ、格安ホテルチェーン「OYO」(ノイダ)のビジネスモデルはインドでは成功するかもしれないが、中国はすでに市場が効率化されているため、(インドと比べると)20%程度のビジネスしか見込めない、という見方を示した。また、インド市場は中国市場と比べると非常に細分化されていることから、電子商取引およびフィンテックの分野には大きな可能性がある、と展望した。

「TiE Global Summit 4」に出席したShirley Mao氏

Jeffrey Yam氏は「中国では、スタートアップの成長に欠かせない資金調達が比較的簡単です」と紹介しつつ、インドの創業者は年齢が若い傾向にあるため、中国の投資家の信頼を得るのに時間がかかるかもしれない、とも述べている。また、米国や中国と比べると、インドにはシリアルアントレプレナーが少ないため、そうした点も資金調達に影響する、という意見だ。

中国からインドのスタートアップへの投資はここ数年急速に伸びており、2018年は投資総額で米国、日本を上回る規模に達した。バンガロールに拠点を置くスタートアップ研究&分析会社「Tracxn」によれば、中国からの投資は、2016年の6億6800万ドル(約720億円)から、2018年には56億ドル(約6000億円)まで拡大。2017年と比べると2倍近くまで増加している(2017年は30億〜35億ドル)。

日本からインドのスタートアップへの投資総額は2017年に49億ドルを記録し、当時は「米国や中国を超える規模になった」と報じられて注目を集めたが、1年でトップの座を明け渡すことになった。

written by 飯塚竜二

関連リンク
https://yourstory.com/2019/11/chinese-investors-tie-global-summit-funding-india?fbclid=IwAR21CZ0i9VeY0jNfS3jV468F9eVdviCY-QjopyTN8ADqhkZEnDFniAvSiao

https://www.entrepreneur.com/article/342489

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