急成長するインドのコワーキングスペース市場、「WeWork」は6都市展開に
|コワーキングスペースを運営する米「WeWork」がインドでのビジネスを拡大させている。同社はバンガロール、グルガオン、ムンバイに続き、近々プネー、ノイダ、ハイデラバードでもサービスをスタートさせる計画だ。

同社は2016年に印不動産開発大手「Embassy Group」と戦略的パートナーシップを結び、インド市場に進出した。現在は国内3都市30ヵ所(※)でサービスを提供している。
※バンガロール11ヵ所、グルガオン6ヵ所、ムンバイ13ヵ所/2019年8月時点
同社のインドにおける競合としては「IWG(リージャス)」「CoWrks」「Awfis」「Smartworks」「GoWork 」「Skootr」「Innov8」「IndiQube」「Avanta」「91springboard」「Creator’s Gurukul」「GoHive」「OneCulture」「Plus Offices」「Bridge+」等が挙げられる。
インドのコワーキングスペースはここ数年、スタートアップやスモールビジネスだけでなく、中小・大企業等、すべてのセクターの関心を集めている。従来のビジネスセンターと異なり、ジムやSPA、フードコート、ゲームエリア、スリーピングポッド、託児所等の様々なアメニティ施設を備えるコワーキングスペースもあり、こうした利便性の高さが多くのインド人の関心を集め、普及が加速しているようだ。
実際に米総合不動産サービス企業「ジョーンズ・ラング・ラサール(JLL)」の調査によると、インドにおけるコワーキングスペースの利用は様々な業態で拡大しているという。コワーキングスペースが占める面積は2017年から倍増し、2018年は390万平方フィート(約36万平方メートル)になった。2017年から2019年第1四半期までの累積面積は690万平方フィート(約64万平方メートル)に達している。インド上位7都市におけるオフィスリースセグメントでコワーキングが占める割合は、2019年第1四半期に12%まで拡大した。
こうしたデータからも明らかなように、コワーキングスペース市場では現在も積極的な投資が行われており、2018年5月末時点で4億ドル(約425億円)近い金額が投じられた。「JLL」の目算では、2019ー2020年度中に投資額は10億ドル(約1060億円)に達する見込みだ。

巨額資金があれば、コワーキングスペースのサービスプロバイダーはより迅速にスケールアップできる。インドのサービスプロバイダーは上位7都市に加え、ジャイプルやゴア、チャンディガル、ラクナウ等のTier 2(人口100-400万人未満)の地方都市へも進出するようになった。こうした地方都市ではスタートアップの数やインキュベーション施設のニーズが拡大しており、コワーキングスペース市場にさらなる成長をもたらすはずだ。
written by 編集部