インドのEV大幅減税に業界歓喜、米テスラもついにインド市場参入か

インド政府の物品・サービス税委員会(※)は2019年7月27日、EVへの消費税(GST)を12%から5%に、EV急速充電器の消費税を18%から5%に引き下げることを明らかにした。また、各州でリースされるEVバスへのGSTも免除される。この新たな税率は8月1日から適用される。

※ The Goods & Services Tax (GST)Council

今月発表された2019年度予算案では、EVをローンで購入した場合の税率も優遇されている。今回の消費税引き下げはインドの自動車業界や消費者にとっては大きな追い風になり、同国のEVエコシステムのさらなる成長へのカンフル剤になるものと思われる。

インド政府は従来からEVへの移行を強力に推し進めており、2019年度の6月までの同国での自動車総販売台数(※)が前年同月比12.3%減だったのに対して、EVの販売台数は2018年で56000台(3輪を除く)、2019年5月時点では2・4輪のセグメントで販売台数が大きく増加し、前年比130%増の75万9000台に達している。

※ 2〜4輪の自動車総販売台数。「インド自動車工業会(SIAM)」調べ

出典:インド自動車情報サイト「AutocarIndia」
米EV大手テスラ、ついにインド市場参入か

インドのスタートアップメディア「Inc42」によると、米国のEV大手「テスラ」のCEO、イーロン・マスク氏は最近、2020年に「テスラ」がインド市場に参入することをほのめかすような発言を述べたという。3月にも同様の発言を述べていることを考慮すると、参入機運が高まっているのは確かだろう。「テスラ」はこれまで何度もインド市場への参入を試みてきたものの、同国の未成熟なEVインフラ、政府の外資規制、高い関税等により、断念せざるを得なかった経緯がある。

一方でナレンドラ・モディ首相は2015年の訪米時に「テスラ」を視察して以来、同社のEV事業に高い関心を寄せてきた。また、道路交通相のNitin Gadkari(ニティン・ガドカリ)氏も2016年訪米時に「テスラ」を訪問し、「Make in India」への参加を提案するとともに、湾岸都市に近い事業用地を同社にアピールしている。

インド政府はEVの現地生産を推進するため、バッテリー以外の輸入EV部品への関税を5%に引き下げている。他方、完成品の輸入EVには15%の関税、輸入EV部品で国内生産したEVには10%の課税としている。

現地生産が一番の近道か

「テスラ」ブランドはインドでも憧れの的となっているが、完成車を輸出販売する場合はごく一部の富裕層のみしか購入できない。そのため、より大きな厚みのある中産階級の購買層を取り込むことは非常に難しいと容易に推測できる。すでに部品メーカーを含め、多くの自動車関連メーカーがインド進出を果たしているが、今回の税率引き下げにより、インドのEVメーカーは価格面でも大きな優位性を得たことになる。

「テスラ」はシェア拡大に向けて価格競争で優位に立つべく、年内には中国でのEV生産を開始する予定だ。同社がインド市場で大きなシェアを握るには、中国同様にインドでのEVエコシステムへの投資や現地生産に踏み切ることが一番の近道なのかもしれない。

written by Makoto N

関連リンク
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https://inc42.com/buzz/elon-musks-tesla-looks-at-an-india-launch-by-2020/

https://www.autocarindia.com/car-news/ev-sales-in-india-cross-75-lakh-mark-in-fy2019-412542

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