高まるボリウッドスターのスタートアップ投資熱
|米国ではラッパーのスヌープ・ドッグやジェイ・Z、歌手のジャスティン・ティンバーレイク、俳優のアシュトン・カッチャー等、多くのスターがシリコンバレーのスタートアップに投資しているが、そうしたトレンドはインドにも波及しており、ボリウッドスターによるスタートアップ投資が活発化している。

先日、女優のアイシュワリヤー・ラーイ(Aishwarya Rai、代表作『ミモラ 心のままに』『ロボット』)が母親のVrinda K R氏とともにバンガロールを拠点とするスタートアップ「Ambee」(※)にそれぞれ500万ルピー(約790万円)を投資したことが明らかになった。
※「Ambee」はAkshay Joshi氏、Jaideep Singh氏、Madhusudan Anand氏によって2017年に設立された環境情報分析企業で、開発者や消費者、研究者、メディア向けに大気質のデータを提供している。インドでは大気汚染による死者数が全体の12.5%を占めており、世界で最も汚染されている20都市の内14都市をインドの都市が占める等、深刻な問題と化している。
また、女優のディーピカー・パードゥコーン(Deepika Padukone、代表作『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』『トリプルX:再起動』『パドマーワト 女神の誕生』)は自身の戦略的イニシアチブ部門である「KA Enterprises Llp」を通じて、バンガロールを拠点とするスペーステック「Bellatrix Aerospace」に投資。また、ムンバイを拠点とする「Drum Foods International」にも投資し、2015年に誕生した傘下のフレーバーヨーグルトブランド「Epigamia」を支援している。
ほかにも、俳優のアクシャイ・クマール(Akshay Kumar、代表作『パッドマン 5億人の女性を救った男』『KESARI』『ロボット2.0』)がウェアラブルデバイス&ヘルステック・スタートアップの「GOQii」に、女優のプリヤンカー・チョープラー(Priyanka Chopra、代表作『DON 過去を消された男』『クワンティコ/FBIアカデミーの真実』)は出会い系アプリ「Bumble」に、女優のアーリヤー・バット(Alia Bhatt、代表作『スチューデント・オブ・ザ・イヤー 狙え!No.1!!』)はファッションテック・スタートアップ「StyleCracker」に、俳優のアルジュン・カプール(Arjun Kapoor、代表作『2 States』)は家庭料理デリバリー・スタートアップ「Foodcloud.in」に投資する等、ここ数年、ボリウッドスターのスタートアップ投資熱は高まり続けている状況だ。
ボリウッドスターと言えば、ひと昔前までは高額なギャラで企業やブランドの広告塔を務めることが主流であったが、最近は単なる広告塔としての役割よりも、自身の価値観やライフスタイル、ブランドイメージに沿った戦略的投資を重視するようになっている。そういう意味では、スタートアップへの投資は金銭的リターンが得られるだけでなく、社会問題の解決に挑む企業を支援することでさらなる名声が得られる可能性もあり、スターにとっては親和性が高い投資と言えるのかもしれない。
written by 編集部
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