ソフトバンク、ヘルステック「cure.fit」に最大375億円規模の投資か

ソフトバンクグループが主導する「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」が、インドで急成長しているヘルステック「cure.fit」への2億~3億5000万ドル規模(約214億~375億円)の投資交渉に入ったことが明らかになった。

ソフトバンクは本件以外にも、2019年2月、プネーを拠点とするベビーケア用品「FirstCry」に今後2年間で約4億ドル(約429億円)の段階的投資を決定。また、5月にはファリーダーバード拠点のアイウェア量販店「Lenskart」と3億5000万ドル(約376億円)規模の投資交渉に入っている。興味深いのは、これら3社に共通する強みがオンライン・オフラインでの強力なプレゼンスにある点だ。

ユニコーン入りも間近、海外展開へ

「cure.fit」は既報通り、今年5月7日にシリーズDで7500万ドル(約83億円)の資金調達に成功し、評価額が5億ドル(約559億円)超に上昇した。今回の資金調達が成功すれば、評価額は10億ドル以上(約1074億円)になり、「cure.fit」はユニコーンの仲間入りを果たすことになる。また、ソフトバンクにとっては、インドのヘルスケア・ウェルネス分野への初の投資になる。

消息筋によると、今回の資金調達で「cure.fit」は、本格的に海外展開を推し進める計画だという。今月23日、バンガロール拠点の同社の主要VC「Chiratae Ventures」の創設者であるSudhir Sethi氏は、「cure.fit」のドバイ事業立上げを祝うツイートをしており、「cure.fit」が海外への足掛かりを築きつつあるのは確かだ。

「cure.fit」は2016年にバンガロールで創業以来、アプリを介してワンストップで様々なヘルスケアサービスを提供している。2019年6月現在、「eat.fit」(ヘルスフード)、「cult.fit」(フィットネスチェーン)、「care.fit」(ヘルスケア・クリニック)、「mind.fit」(ヨガやメンタル・ウェルネス)の4事業を展開している。

同社の創業者はEC大手「Flipkart」旧幹部のMukesh Bansal氏とAnkit Nagori氏。「cure.fit」はフィットネス用のアパレル事業にも乗り出しており、ボリウッド俳優のHrithik Roshan氏やTiger Shroff氏と提携してワークアウトプログラムを開発する等、ブランド力を高めている。

フィットネスチェーン事業「cult.fit」はバンガロール、ムンバイ、ニューデリーで130のスタジオを展開。今年中に10都市250スタジオまで拡大させる計画だ。ヘルスフード事業の「eat.fit」は、外食・デリバリーサービス大手「Zomato」等を通して1日当たりの最多注文数が3万5000食に達している。同部門では今年4月、親会社の「cure.fit」が500万ドル(約5億6000万円)を投じ、新たに10ブランドを立ち上げる計画が発表される等、事業強化が進んでいる。

「eat.fit」レストランの食事。見た目も味もヘルシー
健康意識の高まり、経済成長が追い風に

インドの若い世代は健康意識が高く、フィットネスや健康食品への支出に積極的だ。ほとんどのフィットネス事業はローカルブランドだが、フィットネスと健康食品を組み合わせたサービスを提供する「cure.fit」のようなブランドは、今のところインド国内では皆無だ。

インドの総合金融サービス企業「Edelweiss」の分析によると、人口の半分以上が30歳未満で構成されるインド特有の人口ピラミッドや経済的成長性が、「cure.fit」にとっては大きな成長要因になっているという。また、スタジオを他都市へ拡大する際は運用コストが上昇する傾向にあるため、ユーザー数の増加が見込まれる等、良い立地を選択できるかどうかがスケールアップの鍵になると見ている。

written by Makoto N

関連リンク
https://tech.economictimes.indiatimes.com/news/startups/softbank-fund-begins-talks-to-back-health-startup-curefit/69883694

https://inc42.com/buzz/curefit-enters-dubai-market-to-celebrate-third-anniversary/

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