モディ首相「New India」に向けた審議会を開催、水・農業・健康が課題

画像は「NITI Aayo」のfacebookより

2019年6月15日、インド政府系シンクタンク「NITI Aayog」の5回目の審議会が選挙後初めてニューデリーで開催された。同審議会にはナレンドラ・モディ首相をはじめ、各大臣や州知事等も出席。議長はモディ首相が務めており、新政権の方針を理解する上で重要な会議だ。

「NITI Aayog」は、「National Institution for Transforming India」の略語「NITI」と、ヒンディー語で“(政策)委員会”を意味する「Aayog」を掛け合わせたもの。2015年に立ち上げられ、インド経済の発展を促す上で様々な政策提言を行う等、政府のブレーン的な役割を担っている。

Amitabh Kant氏

同シンクタンクはモディ首相をトップに、経済学者のRajiv Kumar氏が副議長、エリート官僚組織「IAS」(※)出身のAmitabh Kant氏がCEOを務める。とりわけ、Amitabh Kant氏のTwitter等のSNSへの投稿は、同国の経済動向を知る上で各界から注目されている。

※インド行政職(The Indian Administrative Serviceの略)。同行政職は毎年数十万の志願者から100人程度しか選抜されない。

政府と州政府の連携が鍵 世界第2位の経済大国の可能性

今回の会議で、インドを2024年までに5兆ドル(約537兆円)規模の経済大国に押し上げる目標についてモディ首相は「課題はあるが、達成し得る」と述べ、州政府への協力を要請した。

また、政府が掲げるモットー「信頼に根差した国民のための発展」については「NITI Aayog」が中心的な役割を果たしていく方針を明かし、世界第3位のGDP達成には各州政府が持つ核心的な競争力を認識し、州レベルでGDP目標達成に向けた行動を取るよう訴えた。

米国同様に連邦国家であるインドでは、州政府が課税から立法、事業認可まで大きな権限を持つため、州と中央政府との連携は極めて重要だ。

インドは2018年7月にフランスを追い抜き、世界で6番目の経済大国になった。今年2月、モディ首相はインドが現在の急速な経済発展を維持出来れば、2030年には世界第2位の経済大国になるのも夢ではない、と述べている。また、雇用や干ばつ、農村の貧困問題、環境汚染、食料問題、汚職と暴力、技術革新等の様々な課題を2022年(インド独立記念75周年に当たる)までに解決する政府の取り組み「New India」について、モディ首相は公衆トイレ設置等の衛生環境改善に向けた全国規模のキャンペーン「クリーン・インディア」を引き合いに出し、「政府と州が連携すれば克服可能だ」と会議に出席した州知事に訴えた。

画像は「NITI Aayo」のFacebookより
課題は水資源管理、農業、健康

経済以外の課題では水資源問題が重点的に話し合われた。深刻化する干ばつや毎年20万人の死者を出している汚染水対策として、インド政府は今年5月31日に既存の水道関連の行政機関を統合して新たに水資源省(Ministry of Jal Shakti)を設立。同省は水資源確保のため、統合的なアプローチで州政府と連携し、2024年までにすべての農村に水道水を供給する計画だ。

農業分野では、複雑な農地の所有権や貧困問題等の課題解決のため、構造改革を促すハイレベルのタスクフォースを近々立ち上げるという。

健康分野では2025年までに、“インドの国民病”とも言われている結核を根絶するため、政府が推し進める保険制度や貧困層の金融サービスへのアクセスを容易にする金融包摂(financial inclusion)制度の定着を州政府も後押しするよう求めた。

written by Makoto N

関連リンク

https://inc42.com/buzz/niti-aayog-lays-out-plan-for-new-india-by-2022-in-fifth-meeting-led-by-pm-modi/

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