インドで「アマゾン・ボイコット運動」、ヒンドゥー教の神様が描かれたトイレマット販売

インドでは今、「#BoycottAmazon」(アマゾン・ボイコット運動)がツイッターでトレンド入りし、注目を集めている。ヒンドゥー教の神様が描かれたトイレマット等が「Amazon」で販売されており、インド人の怒りを買ったためだ。

インドのスタートアップメディア「Inc42」によると、ことの発端は2019年5月16日。インドの人気ツイッタラーであるAnshul Saxena氏が関連の商品画像とともに、「Amazonは何回ヒンドゥー教徒の感情を傷付けるのか? なぜあなたは毎年毎回こんなことをするのか? 一体いつまで続くのか。終わりは来るのだろうか?」とツイートしたこと。このツイートは「Amazon」のボイコットを煽るような内容ではなかったが、多くのインド人の関心を集め、結果として「Amazon」アプリのアンインストールを奨励する運動に発展してしまった。

Anshul Saxena氏のツイート

同ツイートの内容からわかる通り、実は「Amazon」がこうしたトラブルをインドで引き起こすのは今回が初めてのことではない。2016年初めにも「Amazon」はヒンドゥー教の神様が描かれたドアマットを販売して物議を醸した。また、インドの国旗がプリントされたドアマットやシューズも販売し、こちらもインド人の怒りを買うことになった。

世界的なナショナリズムの台頭同様、インドではモディ政権誕生以来、ヒンドゥー・ナショナリズムが高まっており、ソーシャルメディアの普及も受け、こうしたトラブルが散見されるようになった。

今年3月に発生した「#BoycottNetflix」(Netflix・ボイコット運動)もそうだ。インド系アメリカ人コメディアンのハサン・ミンハジ氏が「Netflix」内の番組「Patriot Act(愛国者として物申す)」でインドの総選挙やモディ政権の政策を揶揄したところ、「内容が一方的すぎる」等とインド人の間に不満を呼び起こし、ボイコット運動につながった。同氏がイスラム教徒であることも火に油を注ぐことになったようだ。

「Patriot Act」のワンシーン。画像はNetflixより

2017年には写真共有アプリ「Snapchat」のCEOであるEvan Thomas Spiegel氏も矢面に立たされた。「Snapchatは金持ち向けのアプリで、スペインやインド等の貧乏な国の人には使って欲しくない」という同氏の過去の発言がメディアにクローズアップされたためだ。後に広報はこの発言自体の存在を否定したが、インドでは「#BoycottSnapchat」(Snapchat・ボイコット運動)が展開された。

中国市場からの撤退を決めている「Amazon」にとって、インド市場は是が非でも手に入れたい市場だ。「Amazon」のインドにおける市場シェアは現在30%以上あり、さらに2027年までは年間23%の成長率で拡大していくことが予測されている。今回のボイコット運動は遅かれ早かれ沈静化するものと思われるが、ドメスティックECの「Flipkart」「Snapdeal」との激しいシェア争いの真っ只中にある以上、こうしたトラブルを過小評価することは危険で、「Amazon」には慎重な対応が求められるだろう。

written by 編集部

関連リンク

https://inc42.com/buzz/twitter-boycotts-amazon/

https://www.indiatoday.in/television/web-series/story/hasan-minhaj-s-dissection-of-indian-general-election-leaves-twitterati-impressed-1481770-2019-03-19

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